太陽光架台の錆(サビ)と点検方法
- 優 中野
- 3月8日
- 読了時間: 4分
更新日:4月15日
1. 太陽光架台と錆の関係とは?
太陽光発電システムの架台は、パネルを適切な角度で支え、安全に設置するために重要な役割を果たします。しかし、多くの架台は金属製であり、特に鉄製のものは錆びやすく、耐久性に影響を及ぼす可能性があります。屋外に設置されるため、雨や湿気、塩害などの環境要因によって腐食が進みやすくなります。架台が錆びると、システム全体の耐久性が低下し、安全性や発電効率にも悪影響を及ぼします。
2. 錆の主な原因
錆が発生する主な原因には、以下のようなものがあります。
雨や湿気:
屋外に設置される架台は、常に風雨にさらされています。
特に梅雨時や冬の結露によって水分が金属表面に付着し、錆の発生を促進します。
屋根設置型の架台では、雨水が滞留しやすい部分に特に注意が必要です。
塩害地域:
海岸近くでは、空気中の塩分が金属表面に付着し、腐食を加速させます。
海風によって塩分が運ばれ、塗装やメッキの劣化を早めます。
特にステンレス以外の鉄製架台は、塩害対策が施されていないと急速に錆が進行します。
施工不良:
防錆処理が不十分なまま施工されると、短期間で錆が発生する可能性があります。
接合部の設計が悪いと水が溜まりやすくなり、錆びるリスクが高まります。
施工時に防錆剤の塗布が不適切だった場合も、錆の発生を助長します。
経年劣化:
長期間の使用により、防錆処理が劣化し、腐食が進行します。
風雨や紫外線による塗装の劣化が原因で、金属が露出しやすくなります。
電位差腐食:
異なる金属が接触すると電位差が生じ、錆が発生しやすくなります。
例えば、アルミニウム架台に鉄製ボルトを使用すると、鉄の部分が先に錆びる可能性があります。
3. 錆によるトラブルと影響
錆が進行すると、以下のような問題が発生します。
架台の強度低下:
錆が進行すると金属の強度が落ち、架台全体が脆くなります。
その結果、太陽光パネルの落下や損傷のリスクが高まります。
ボルト・ナットの固着:
錆が発生すると、ボルトやナットが固着し、メンテナンス作業が困難になります。
定期点検時にボルトの締め直しや交換ができなくなることがあります。
美観の悪化:
錆が広がると、見た目にも影響し、太陽光発電システムの価値が下がる可能性があります。
4. 錆を防ぐための対策
錆を防ぐためには、以下の対策が有効です。
防錆処理の徹底
溶融亜鉛メッキを施した架台やステンレス製の架台を選択することで、腐食の進行を防ぐことができます。
防錆塗装を定期的に再塗布することで、表面の耐久性を向上させます。
亜鉛メッキボルトを使用することで、接続部の耐久性を向上させることができます。
定期的な点検・メンテナンス
少なくとも年に1回、架台の目視点検を行い、錆の発生や損傷を早期に発見することが重要です。
塩害地域では、半年に1回の点検を推奨します。
定期的な清掃を行い、塩分や汚れを取り除くことで、腐食を防止します。
ボルトの緩みや固着をチェックし、必要に応じて交換を行います。
排水性を考慮した設計
架台の設計段階で水が溜まりにくい構造にすることが重要です。
排水穴を適切に配置することで、水分が長時間滞留するのを防ぎます。
屋根設置型のシステムでは、排水経路を確保し、長時間水が溜まらないようにします。
防錆スプレーや塗装の活用
錆が発生しやすい部分に防錆スプレーを塗布することで、腐食を抑制できます。
施工後に防錆剤を塗布することで、長期間にわたり耐久性を維持できます。
錆が発生した場合は、早急にサンドペーパーで除去し、防錆塗料を塗布することで進行を抑えることができます。
5.まとめ
太陽光架台の錆は、システム全体の安全性や発電効率に大きく影響を与えます。適切な防錆処理と定期的な点検を行うことで、長期間にわたり安定した運用が可能になります。特に、塩害地域では防錆対策を強化し、半年に1回以上の点検を推奨します。施工段階から防錆対策を徹底し、環境に応じたメンテナンスを継続的に行うことが、長期的な運用コストを抑えるカギとなります。
太陽光発電設備について不安がある方は、お気軽にお問い合わせください!最適な点検・メンテナンス方法をご提案いたします。
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