太陽光パネルの見えない敵、「マイクロクラック」とは?原因と対策を徹底解説
- 優 中野
- 2月26日
- 読了時間: 3分
更新日:4月15日
太陽光発電を運用していると、「マイクロクラック」という言葉を耳にすることがあります。一見、パネルは問題なく見えても、実は内部に潜む小さなヒビがトラブルの原因になることも。今回は、マイクロクラックが何なのか、なぜ起きるのか、そしてどう対処すればいいのかを分かりやすくお伝えします。
マイクロクラックって何?
マイクロクラックは、太陽光パネルのセル(発電素子)にできる、目に見えないほどの小さなヒビのこと。パネルの表面は頑丈な強化ガラスで覆われているので、外から見ても気づきにくいのが特徴です。でも、この小さなヒビが後々、発電量の低下や故障を引き起こす可能性があるんです。例えば、ヒビが広がって電流の流れが悪くなったり、最悪の場合はパネルが完全に発電しなくなることも。
なぜマイクロクラックが起きるの?
マイクロクラックが発生する原因は、実はいろんな場面に潜んでいます。
- 輸送や設置時の衝撃
パネルを運ぶときや設置するときに、ちょっとした扱い方のミスでヒビが入ることがあります。たとえば、重いものを載せたり、乱暴に置いたりすると、その衝撃がセルに伝わってしまうんです。
- 自然環境の影響
設置後でも、強風や積雪、雹(ひょう)などの天候がパネルに負担をかけることが。特に風が強い日には、パネルの中央部分に圧力が集中して、マイクロクラックが生じやすいと言われています。
- 熱の変化
昼間の暑さと夜の寒さの繰り返しで、パネルが膨張と収縮を繰り返すうちに、セルに微細なヒビが入ることもあります。
マイクロクラックがもたらすリスク
「小さなヒビくらいなら大丈夫でしょ?」と思うかもしれませんが、放っておくと意外と厄介なんです。まず、発電効率が落ちるのが一つ。ヒビが電流の通り道を邪魔して、パネルの一部が働かなくなってしまうことがあります。さらに、ヒビから水分が入り込むと、内部が腐食したり、「スネイルトレイル」と呼ばれるカタツムリみたいな跡ができて見た目も悪くなることも。あとは、まれに発熱して火災リスクが高まるケースもあるので、侮れません。
対策はどうすればいい?
マイクロクラックは完全になくすのは難しいですが、リスクを減らす方法はありますよ。
1. 丁寧な扱いを心がける
輸送や設置のときは、パネルを慎重に扱うことが大事。業者に任せる場合も、信頼できるところを選ぶと安心です。
2. 定期点検を欠かさない
マイクロクラックは目視じゃ分からないことが多いので、赤外線カメラやEL(エレクトロ・ルミネッセンス)検査でチェックするのが効果的。最近はドローンを使って効率的に点検する方法もあるみたいです。
3. 環境に合わせた設置を
風が強い地域なら、パネルの固定を強化したり、積雪が多い場所なら雪の重さに耐えられる設計にするのも大事。
4. 発電量をモニタリング
毎日発電量を見ておけば、異常が起きたときにすぐ気づけます。特に急に下がったときは要注意です。
最後に
マイクロクラックは、太陽光発電の「見えない敵」みたいなもの。でも、きちんと対策すれば大きなトラブルは防げます。パネルを長く、安定して使うためにも、ちょっとした意識とメンテナンスが鍵です。
太陽光発電設備について不安がある方は、お気軽にお問い合わせください!最適な点検・メンテナンス方法をご提案いたします。
Comments